Q&A

Q 買い物へ行くと、大量に購入してしまい困っています。買い物に連れて行かない方がいいのでしょうか?

A 利用者さんの現在の状態からすれば、「欲しいから購入したい」ではなく、様々な環境が壊れており、普段気にならない情報が目に入る状態(刺激が強い)ではないかとの推測と、いつでも購入できない環境から、大量に購入する事で自分自身を落ち着かせているのではないかと考えます。

今回の問題に対してのアプローチとしては

商品の大量買いを減少させるという目的ではなく、生活環境を整えることを優先課題とします。

まずは、一日のスケジュール、週間(買い物へ行く)、月間(自宅に帰省する日)を視覚的にお伝えし(本人が理解できる方法で)、必ず約束を守る事を徹底します。       

同時に商品の大量買いを防止する為、事前に商品を選択していただき(好きなものを商品で選択して頂く)買い物を実施します。(生活環境等が整っていない場合は、大量購入に繋がります)。

私達はあなたとのスケジュールを必ず守ります。という利用者さんとの信頼関係を作る事と、どの職員が支援しても同じやり方を行う事を徹底します。(その際、言葉かけも必要最小限にし、我々が刺激を与えないようにします) 

このスケジュールが利用者さんにとって信頼できるものかを確認してもらうために、小さなことでも約束を必ず守る事を徹底し、一日、一週間、一ヶ月を繰り返し、3ヶ月程度でスケジュールの信用性を理解していただき、買い物に出かけた際も、事前のスケジュールで、例えば、カレーライスの材料を購入すると仮定し、「肉、ニンジン、ジャガイモ」などを写真で提示し、完成したカレーライスを見せる事で、安心して買い物ができるようになります。

今回の事例としては、まずは、困った行動を減らすための支援を行うのではなく、「なぜ混乱されているのか」を考えて、スケジュールには意味がある事と、視覚的な支援が彼等との有効なコミュニケーションツールになる事を理解していただく作業が重要です。また、それを共有する事が支援の始まりではないかと思います。

更に彼等の障害特性理解が進むとより良い支援へ繋がるのではないかと思われます。