施設長便り(2) 「同情と共感」について 安藤 学

2014年 07月 16日 07:55   
そしあるでは、「共感」を大切にしています。
他人の感情に対して同じ気持ちになる状態を「同情」とか「共感」の言葉で表わしますが、この二つには違いがあると思っています。「同情」は「かわいそうだ、大変だ」など、主に、苦悩や不幸をその人の立場になって感じる状態ですが、「共感」は同情の感情の他に、前向きの主張やチャレンジの行動に対して一緒に考え行動する気持ちが含まれています。

そしあるでは、利用者と支援者が一緒に行動しながら、いろいろな活動をたのしみ、いろいろな課題も解決していきたいと考えています。利用者の「気持ち」を出発点として、その気持ちの整理の仕方や、その気持ちから出発した新たな活動や挑戦を「行動」という形にしていく、という流れを大切にしています。

「同情」は向かい合って寄り添っている形ですが、「共感」は隣同士に座って同じ方向を向いて寄り添っている形です。「共感」を念頭に置くと、同じ方向を向いているので、「気持ち」と「行動」をつなぐ流れをつくりやすいのです。

「共感」を大切にしている理由は、利用者のみなさんが何かを行いたい時、また何かの難題に立ち向かっていくときに、一緒に「行動」してくれる心強い支援者になりたいと考えているからです。また、「親亡き後が心配だよね」というご家族の主訴に対しても「そうですよね」で終わることが「同情」です。その思いに対して一緒に考え動き出すことが「共感」であり、同じ気持ちに向かって進んでいくためには必要なことだと思っています。
誰かがするだろう。高齢になれば高齢者施設、という考えではなく、ご家族の声と、本人の気持ちを聞きながら、その人がその人らしく生活できる生活拠点を構築していくことこそ、共感することではないかと考えます。
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